15歳、島根の海でサーフィンと出会う。
- Hiroyuki niimura
- 11 分前
- 読了時間: 4分
EVOLVE STORY|01

僕が初めてサーフィンをしたのは、15歳の頃。場所は島根県、島根半島の海でした。
スケーターだった15歳

当時の僕は、サーファーではなくスケーター。
ストリートでオーリーやフリップを繰り返し、毎日のようにスケートボードに乗っていました。
サーフィンとの出会いは、人生を変える出来事としては驚くほど何気ないものでした。
スケートボードのパーツを買いに立ち寄ったサーフショップで、オーナーやそこに集まっていた人たちから、「サーフィン、やってみれば?」と声をかけられた。
それが、すべての始まりでした。
初めて見た海は、思っていたよりずっと大きかった
初めて海へ連れて行ってもらったのは、たしか10月頃だったと思います。
その日の島根半島はサイズがあり、普段は割れないような場所にも頭くらいの波が立っていた記憶があります。
もちろん当時の僕には、波のサイズも、カレントも、海のコンディションも分からない。
サーフショップでサーフィンのビデオを見たことがある程度でした。
それでもスケーターだった僕は、海を見ながら「この辺でスケボーみたいな技をやってやる」そんなことを一緒にいた先輩たちに本気で話していました。
当然、笑われました。
今振り返れば、ずいぶん無邪気な15歳です。
最初に見た場所はさすがに大きすぎるということで、クローズしても波ができるような湾の中へ移動することになりました。
そこで、僕の最初のサーフィンが始まりました。
腹ばいで滑った、たった数秒
最初はスープを後ろから押してもらって、腹ばいのまま波に乗りました。
立ってもいない。
ターンもしていない。
もちろん技なんて何ひとつしていない。
ただ、波に押されて滑っただけです。
その時に感じたスピード感だけは、今でも鮮明に覚えています。
怖いという感覚より先にあったのは、純粋な高揚感でした。
それまでスケートボードで感じていたスピードとは、どこか違う。
自分で地面を蹴って進むのではなく、波という自然の力に身体ごと運ばれていく。
「なんだこれ。最高だな。」
ただ腹ばいで滑っただけなのに、僕はその一瞬でサーフィンの虜になりました。
気づけば、サーフィンをするための生活になっていた
最初はスケートボードも続けていました。
でも、少しずつサーフィンへの熱の方が大きくなっていきました。
母親にサーフボードとウェットスーツを買ってもらい、海へ行ける時はとにかく海へ行きました。
とはいえ、当時の僕には家から海まで行く手段がありません。
サーフショップに通っていたお客さんたちの車に乗せてもらい、海へ連れて行ってもらっていました。
今思えば、本当にいろいろな人に助けてもらいながらサーフィンをしていた時代です。
その後、サーフショップの近くのアパートで一人暮らしを始め、16歳頃にはサーフショップでも働くようになりました。
17歳頃には飲食店でアルバイトをしていましたが、そこにいた人たちもみんなサーファーでした。
朝方まで仕事をして、仕事が終わればそのまま海へ向かう。
眠いとか、大変だとか、そんなことよりも、とにかく海へ行きたかった。
「サーフィンをするために、どう暮らすか。」
気づけば、僕の生活そのものがそんな形に変わっていました。

あの数秒から、今につながっている
今、こうしてサーフボードを設計し、シェイプし、お客様のための一本を作っている自分から振り返ると、不思議な気持ちになります。
始まりは、島根の海でスープを腹ばいで滑った、ほんの数秒でした。
あの瞬間に感じたスピード。面白さ。もっとやってみたいと思った気持ち。
そこからサーフィンが生活になり、やがて人生そのものになっていきました。
ただ、15歳だったあの頃の僕はまだ知りません。
数年後、自分がサーフィンをするために千葉へ向かい、その先でサーフボードを作る側の人間になることを。
—— EVOLVE STORY|02へ続く。
Story / Hiroyuki Maeda
Archive Photo / EVOLVE FUTURE SHAPE