THE ONE|自分のサーフィンに、自分で驚く。
THE ONE|01

サーフボードをシェイプする時、僕が大切にしていることがあります。
直感的にコントロールできること。
「もっと腰を落とそう」「手はこうしよう」「目線はここへ」——そんなことを一つひとつ頭の中で考えながら乗るのではなく、波を見て、身体が自然に反応していく。
THE ONEは、そんなサーフィンをイメージしながらシェイプしているモデルです。
テイクオフの先にあるもの
THE ONEでは、早く安定してテイクオフできることを大切にしています。でも、僕にとって早いテイクオフそのものがゴールではありません。
本当に大事なのは、その先に生まれる余裕です。
少し早く、いい位置から波に入ることができる。すると、立った瞬間から目の前のフェイスを見ることができます。その先の波がどう続いていくのか。どこへラインを描いていくのか。
波が変化してから慌てて反応するのではなく、少し先をイメージして動けるようになる。僕がTHE ONEで大切にしているのは、サーファーが波に対して後手に回らないことです。

波を見られると、サーフィンは変わる
自分が狙ったうねりが沖から見える。そのうねりが自分の方へ向かってくる。あるいは、自分からそのうねりへ向かっていく。
ピークが自分の近くにスッと入り、いい位置にセットできる。そこから余裕を持ってテイクオフする。すると、立った瞬間から波がよく見えてきます。
フェイスが広く見える。一本の波そのものが、大きく見える。そして余裕があることで、今まで気づかなかった波からの情報まで入ってくるようになる。
降りたい。上がりたい。戻りたい。走りたい。
そう感じた瞬間に身体が反応して、ボードもその通りに動いてくれる。僕が言う「直感的なコントロール」とは、ただ簡単に曲がるとか、反応が速いということではありません。
波を見ながら、自分が行きたい場所へ自然にラインが生まれていく。そんな感覚です。

技をする前に、いい波に乗る
THE ONEは、技をすることだけに特化したショートボードではありません。技を重視するのであれば、もっとコンペティティブなショートボードの方が向いていると思います。
僕がTHE ONEで届けたいのは、波の本質的ないいところから、一本を最後まで楽しむこと。
いい波に乗れれば、自然とスピードが出る。スピードがあれば、ボードも動いてくれる。その中でフォームを感じたり、次に波をどう使えばいいのかを考えたりする余裕も生まれてくる。
技をしよう、何かをしてやろうと考える前に、波を見て身体が自然に動いていく。結果として、「今の一本、気持ちよかったな」と思えるサーフィンにつながる。僕はそこが、とても大事だと思っています。

一本で、一日が変わる
サーフィンは、たくさん本数に乗れば満足できるというものでもないと思います。一本でも、いい波を長く気持ちよく乗ることができたら、「今日はいいサーフィンができたな」と思える。
海から上がった後まで気分がいい。その日一日が、少しハッピーになる。THE ONEで作りたいのは、単に速いボードでも、簡単なボードでもありません。
いい波を見つけて、余裕を持って乗り、その波を自分なりに最後まで楽しめること。
まだそういう世界をあまり経験したことがない人なら、THE ONEに乗ることで、その世界を見るチャンスが少し増えるかもしれない。そして、ある一本で突然、「自分って、こんなサーフィンできたんだ」と思える瞬間が来るかもしれない。

自分のサーフィンに、自分で驚く。
僕がTHE ONEで大切にしたい言葉があります。
自分のサーフィンに、自分で驚く。
誰かに見せるためではなく、難しい技を決めるためだけでもなく、自分自身が一本の波の中で、「今のサーフィン、気持ちよかったな」「こんなふうに乗れたんだ」と思える。
そういう体験が増えていけば、サーフィンはもっと楽しくなると思っています。


サーフボードの設計には、アウトライン、ロッカー、フィンの位置、そしてサーファーが実際にボードをコントロールする位置まで、僕なりに考えていることがあります。
細かな部分は、シェイパーとして大切にしている領域なので、ここですべてを説明するつもりはありません。ただ、考えていることはシンプルです。
サーファーがボードを一生懸命操作するのではなく、波を見て、直感的に動けること。
そのための形を、一本ずつ考えています。
THE ONE
THE ONEという名前には、僕の中で、「これだと思える一本」という感覚があります。
その日、その波、そのサーファーにとって、「これだ」と思える一本。いい波に乗って、スピードを感じて、一本を長く楽しんで、海から上がった時に、今日はいい一日だったなと思える。
サーフボードは、そこで終わるものではありません。その一本がきっかけになって、サーフィンがもっと楽しくなったり、海へ行くことが楽しみになったり、その人の日常まで少し豊かになっていく。
EVOLVEがサーフボードを作る理由も、僕はそこにあると思っています。
サーフィンを通じて、その人の人生を豊かにする。
THE ONEが、そのきっかけになる一本になってくれたら嬉しいです。
Shape / Hiroyuki Maeda
Surfing Photo / ALAIA MENTAWAI
Rider / RUKA


