レールは、一か所では決まらない。
サーフボードをシェイプしている時、僕はレールを一か所だけで考えていません。

ノーズからボードセンターへ。そこから前足のあたりを通り、後ろ足へ。
その流れの中で、どこからエッジを強くしていくのか。どこを少し丸く残すのか。そこをかなり意識しています。
レールは、ただ薄ければいいわけでも、エッジが強ければいいわけでもありません。
僕がイメージしているのは、そのボードに乗る人のサーフィンです。
ある程度ボードコントロールができる人や、波の強い場所で入ることが多い人の場合は、少し強めのエッジを意識することがあります。
反対に、たるい波が多かったり、まだボードをしっかりコントロールすることに慣れていない人であれば、少し丸みを持たせます。
誰が、どんな波で乗るのかによって、レールの作り方も変わってきます。

僕が特に大切にしているのは、レールを波に入れた時の流れです。
スムーズにレールが入っていき、そこから踏み込んだ時にドライブする。そして、そのドライブが加速につながっていく。
昨日、THE ONEに乗ってくれているお客様から、こんな言葉をもらいました。
前田くんのボードは、レールを波に入れて踏み込んだ時の加速感がすごい。
この言葉を聞いた時は、やっぱり嬉しかったです。
シェイプしている時に頭の中でイメージしていることが、実際に海の中で乗り手に伝わっていたからです。
アウトラインやロッカーは、サーフボードを見れば比較的分かりやすい部分です。
でもレールは、もっと立体的で、もっと繊細です。
ノーズからテールまで続いている一本のラインの中で、少しずつ役割が変わっていく。その小さな違いが、ターンの入り方やドライブ、加速感につながっていきます。
僕にとってレールを作ることは、形を整える作業というより、乗り手が波の上でどう動くかを想像しながら、その流れを作っていく作業なのかもしれません。
Shape / Hiroyuki Maeda



